横浜市立矢部小学校へ昨年に引続き講師を派遣しました。


3月3日、横浜市立矢部小学校に昨年に引続き湯澤三郎講師を派遣しました。6年生120人を対象に「国際人になるためのキャリア教育」第2回目の授業を行いました。

湯沢講師は、現在、国際貿易投資研究所専務理事で、ジェトロ理事、エルサルバドル大使、エジプト通産大臣輸出振興アドバイザーを歴任され、スペイン、米国、ブラジル、ペルー、エルサルバドル、エジプトに駐在経験されています

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以下、湯澤講師の出講報告です

阿部講師派遣委員長から横浜市立矢部小学校6年生への講話の機会を頂きました。

矢部小学校は昨年に続いて2度目になります。中学への進学を間近に控えた6年生は、一緒にいるだけで弾む心が伝わって来るようです。昨年の経験から、今回は話しの要旨を生徒さんにお渡しすることにしました。家庭の話題に上った時、生徒さんが「えーとねえ」を繰り返さないように、少しでも話題が発展すればいいなという思いからです。(別紙がその要旨です)  講演要旨はこちらから

新任の平川 一博校長先生にご挨拶の後、講堂へ向かいました。今回はフロアにほぼ100人の生徒さんが直に腰を下ろし、足を組んでいました。「この姿勢で1時間は辛いだろうな」と、瞬間思いました。平川校長先生は1時間立ちん坊でお話しを聞いてくださいました。

「将来何になりたい、何をしたいという夢を持っている人?」という問いかけに手が上がったのは、パラパラ。「世界に通じる音楽の仕事をしたい」「動物が好きだから動物と触れ合える仕事をしたい」

殆どの生徒さんの夢はまだ雲の中のようです。「僕もそうでした」と言いました。

これから中学、高校、大学へと多くの生徒さんは勉強を続けるでしょう。「なんでそんなに勉強するの?」と誰でも考えるでしょう。

どういう学問の分野がどういう内容なのかを、分かりやすく説明しました。なぜそんなに広い学問の分野があって、なぜそんなに人は勉強するのだろうと誰しも思います。これから長年勉強しなければいけないと思っている子供たちにとっては尚更です。

結論は「大宇宙(天)を知り、人を知ること」が勉強の目的だという話です。人を知るということも、大宇宙(天)を知ることも、結局自分を知ることを勉強することで、それは一生続く、それだけ自分すら知ることは難しい、自分を知れば大宇宙(天)を知ることになる、という話しになりました。

一寸理屈が走った話から始めましたが、生徒さんはとても興味を持って受け止めてくれたと感想文で分かり、驚いたくらいです。

次はその大宇宙のなかでの自分です。例で話したのは線虫と紋羽病との関係です。この説は発見者の新留勝行氏(ジェム株式会社前会長=熊本県)からお伺いしたことがあり、氏の著作「野菜が壊れる」(集英社新書)にも書かれています。

大根や白菜に白いこぶ状のものができて生育も落ちる病気があり、その原因が線虫だと分かりました。そこで土中への強力なガスの注入などで線虫を駆除する方法を見つけました。ところが線虫がいなくなるとこれまでなかった紋羽病という,葉が落ちて野菜が枯れる病気が蔓延し始めました。紋羽病は効果的な対処法がない恐ろしい病気です。

ところがよく調べてみると、線虫がいた時に紋羽病が猖獗を極めなかったのは、線虫が紋羽病菌を食べていたことがわかったのです。人間がそれを知らないで線虫はにっくき害虫だと決めつけていたのです。

ノーベル賞をもらった大村 智博士によると、スプーン1杯の土には1億から10億の微生物がいるのだそうです。そのうちのたった一つがアフリカの感染症の病原菌をやっつける働きを持つものでした。

大自然は緻密な秩序できっちりと組み立てられ、人間が解明したのはその1%あるかないかでしょう。人間も大自然界の存在であるならば、今75億人の一人ひとりが誰にもできない自分なりの役割をもっていると考えられます。それを見つけてゆくのがこれからの勉強の意味になります、見つけ方は「自分の好きなこと、楽しそうなこと」を広い分野から探しだすことなのだと、お話ししました。だから皆それぞれが違うし、違うことに大きな意味があるわけです。

この「違うことに意味がある」ということも生徒さんがよく理解してくれたのは驚きでした。

夢を日本だけでなく、世界を見て考えてもらうというのが次のテーマです。日本と日本人の評判は昔も今も、世界で特別のものがあります。江戸末期に訪日した外国人の中には「日本は天国にもっとも近い国」と書いていた人もいました。今でも「日本は天国だ」という外国人がいます。「清潔、正確、安全、安心、迅速、便利、おいしい、安い、親切・・・」という評判が一般的です。日本人が世界で果たす役割は大きいのです。日本人らしさを十分発揮することが大事です。

しかし、誰にも「違いがある」ように、日本人らしさは外国人から見ると「違う」印象となります。「グループの場で発言しない」「何を考えているか分からない」という評判があります。

これはグループに迷惑とならないようにと、周りを見てから態度を決めるというクセが影響しているようです。確かにどんな偉い仕事をしても周りの人とうまく行かなければ失敗しますし、どんなことをするにも、どんな偉い人も周りの人に助けてもらわないと何もできません。その意味で大事なのは人を大切に、夢を叶えるには、「爽やかで優しく、逃げずあきらめない」を心がけることと言ってもいいでしょう。その第一歩は「おはよう、おめでとう、ありがとう、ごめん、よろしく、どうぞ」から始めてみましょう。これは年齢に関係なく、誰でもできるし、いつからでもできる。易しいようですが、心を込めて言う、行うというのは決して易しいことではありません。

明日からできることを、誰にも分かりやすい言葉で終わりを結びました。皆さんの心に一つでも残りますようにと祈りつつ・・・。

感想文(別添)で生徒さんが答えてくれました。感謝! 感想文はこちらから