秋田県教育委員会主催「スーパーイングリッシュ・キャンプ」に関根講師を派遣しました。

9月8日(土)に秋田県大仙市の八乙女交流センターで実施した出前授業について、以下の通り、ご報告いたします。

関根講師略歴

1947年生まれ。横浜国立大学経済学部卒。日商岩井(株)(現、双日)に入社し、英国・カナダ駐在。国交省主幹の英語通訳士ガイド資格を取得し、退職後は企業研修や通訳・翻訳に従事。

高座名:関根英純(せきね えいじゅん)

 

以下、関根講師の出講報告です。

英語コミュニケーション能力強化事業の一環として、秋田県教育委員会が毎年開催する「Super English Camp」に昨年同様、報告者はゲスト・スピーカーとして呼ばれ、「落語と小噺を活用し、英語を楽しく学ぼう」と題して、主に英語で講演を行いました。

参加対象者は英検準2級以上を保有する中学校3年生~高校3年生で、当日の参加者は、女子生徒23名と男子生徒2名の25名で、それにALTの先生方6名と、本事業の推進・サポート役を務める高校教師3名が参観されました。

当日朝1番の新幹線で角館駅に到着、講演開始の5分前に会場に到着しましたが、高座設定や備品準備など、メールでご依頼した通りの完璧な準備態勢に先ず、感心すると共に、関係者の本事業に注ぐ熱い意気込みを感じました。

報告者作成のレジュメでお分かりの通り、出前授業は2部構成とし、第1部では英語の実践的な学習法を自らの体験に基づきお話しし、第2部では、落語について英語で説明した後、実際に「動物園」の英語落語を実演しました。最後に、生徒さん有志による小噺体験コーナーを設けました。

第1部では、レジュメに示した各項目について、報告者の体験を交えながら日本語でお話ししました。内容は昨年とほぼ同様ですので省略いたします。特に、一方通行になりがちな講義形式を極力避け、クイズ形式や問い掛けを随所に挿入することを心掛けました。昨年と大きく違うのは、英語力の向上に自己紹介文を活用することを強調した点です。

デモンストレーションとして、GEMを使用して報告者が自己紹介した後、自己紹介文の活用が、如何に英語の総合力をアップさせるかを解説しました。

英語のアウトプット力、特に「書く能力」と「話す能力」を強化するのに、自己紹介文の作成と音読・暗唱・発表の一連の活動は、極めて効果的と報告者は確信しています。また、最近の大学・高校入試の英語テストでは、アウトプット力を試す傾向が益々顕著になっており、自己紹介文の徹底的攻略こそが、英語テストでの好成績への近道、と改めて痛感しております。

第1部の最後に、生徒さんの有志に自己紹介をして頂きました。男子1名と女子3名が果敢に挑戦してくれました。日頃から準備できているのか、流暢な英語で素晴らしい自己紹介をしてくれた生徒さん、3文字のキーワードを板書して、見事に紹介してくれた生徒さん、準備はしていない模様だが、皆の前で一生懸命に自己をアピールしてくれた生徒さん——。報告者は大変感動しました。

本キャンプ担当の先生も講演終了後に、3文字キーワードを用いた自己紹介の授業への採用を検討してみたい旨の発言に触れ、報告者の主張が必ずしも的外れではないと、意を強くしている次第です。

第1部が終了後、10分間の休憩時間を利用して着物に着替えました。高座の臨場感を醸し出すための演出でもあります。昨年同様、休憩を挟んで、生徒さん達は、教室スタイルの部屋から、高座スタイルの和室に移動することで、良い気分転換になったと思います。

第2部の冒頭に、「落語とは何か」について、レジュメに示された各項目を中心に英語で解説しました。先に引用した担当教師によると、報告者の講演後の学習プログラムの中で、落語解説で実演した落語の上手・下手や扇子だけで出来る多様な表現等を、生徒さん自身がプレゼン時に採用している場面が目撃されたそうです。これは正に講師冥利に尽きる出来事と言えるのではないでしょうか。

「動物園」の実演にあたり、本演目の粗筋や英単語・イディオムなどの解説書を事前配布して、参加生徒さん達が予習できる環境整備をお願いしました。また、今回の参加者の英語能力が押し並べて高いことを勘案すると、英語落語の初挑戦者でも演目内容は十分に理解でき、楽しめたのではないかと推測します。ALTや担当教師の方々は勿論、生徒さん達からも随所で相応の笑いを頂戴したからです。

当日最後のイベントである小噺体験の「ワークショップ」では、事前配布の小噺6題の中から、3人の女子生徒さんと男女1人ずつのALTさん、計5名の方々に1題ずつ演じてもらいました。上手・下手の切り方、キャラクターによる声色の使い分け、電話を表す扇子の使い方などを適切に取り入れての演技は、初めてとは思えないほどの出来栄えで、報告者も甚く感心しました。

最後に、参加生徒を代表されて、女子生徒さんから講演に対するお礼の言葉を頂き、報告者のゲスト・スピーカーとしてのお務めは、ハッピーエンドと相成りました。

本講演の機会を与えて頂いた秋田県教育委員会関係者の方々、本事業の推進・サポート役およびALTの先生方、そして元気一杯な言動で報告者に元気と活力を与えてくれ、講演を盛り立ててくれた参加生徒の皆様に感謝しつつ、本報告書を締め括りたく存じます。

講演 レジュメ

講演資料 The Zooの解説書

小噺の実例6題

 

生徒感想文.FINAL