川崎市教育委員会主催 一般市民講座「かわさきで異文化交流しよう」に木村講師を派遣しました。

1151 1141

2016年12月22日、川崎市教育委員会主催 一般市民講座「かわさきで異文化交流しよう」(5回連続)3回目に、当会より木村正文講師を派遣し、「隣国中国との異文化交流」 というテーマで講演を行いました。当講座は、川崎市教育文化会館で行われ、当日は一般市民13名が参加しました。

木村講師略歴:
1951年 東京に生まれる 。上智大学経済学部経済学科卒。 1974年 伊藤忠商事㈱入社、語学研修生として香港大学、南京大学へ留学。その後 北京・香港・広州・上海に駐在、伊藤忠丸紅鉄鋼㈱ 香港・上海駐在(中国総代表)を歴任。 2012年~ 淀川製鋼所特別顧問。 中国(含む香港)に22年間 駐在を含め、1979年より現在に至るまで日中間を往来している。

以下、木村講師の出講報告です。

年も押し迫った12月22日、川崎市教育委員会主催の市民講座「かわさきで異文化交流しよう!」第3回講義を担当しました。

本講座前2回はそれぞれ「地域の外国人に聞く“日本に住んで感じること”」、「ロシアより愛をこめて(日本とロシアの違い)」という内容で在留外国人が講義をしており、今回は「外国に暮らした日本人に聞く“現地での異文化交流とは?”」というテーマを頂き、国際人をめざす会からの出前講義が実現しました。

当日は川崎市教育文化会館にて約2時間の講義で、当初20名を対象としていましたが風邪などで欠席者もおり、最終的に13名(内9名が女性)の参加者がありました。

これまで、大学や小中高校生を対象に講義を担当しましたが、殆どが百名単位の大人数で双方向の講義は望むべくもなかったのですが、今回は人数も少なく、単に一方的な講座ではなく話合いも出来ると期待していました。

結果は期待通り大学のゼミ形式のように、マイクも使わず皆さんの反応を確かめながら、時には質問や話合い等あり、講師にとっても大いに勉強になりました。

参加者の年代は50-60歳代が中心でしたが、市民講座に応募するだけあって、皆積極的で興味を持っていたので、和やかな雰囲気のなかで多少の緊張感もあり、楽しく話を進めることが出来たと思います。

講義内容は大きく分けて以下3つ

  • 中国ってどんなところか?中国の現地フォト集を映しながら説明。
  • 日本人と中国人の特徴・文化の違い。
  • 中国人とうまく付き合う方法。

説明のあと、議論のテーマとして男系家族と女系家族、家族の在り方、更に教育の在り方について短時間ではあったがディスカッション形式で意見交換を行いました。

先ずは男系家族より女系家族の方が上手くゆくのではと、当方が口火を切り、叩き台としました。大方は賛同する意見が多かったものの、興味深かったのは、ある男性が「女性の方が能力あるので女系の方が良い。実例として小池東京都知事を見れば分かる」と発言、ある女性は逆に「最近の男性は強いリーダーシップが無く魅力を感じない。もっと男性らしい人が引っ張って欲しい」と励まされる場面もありました。ある女性は「女系に賛成だが、自分の家族は1人っ子の男子で嫁が来ないと老後が寂しいので、複雑な心境」という発言もありました。

全体に日本では家族の結びつきがやや薄まっていることは多くの人が認めるところで、中国の大家族主義や老人を大事にすることなど学ぶべき点もあると感じたようです。

確かに中国では家族、親族などが定期的に集まり一緒に食事をすることをこの上ない楽しみとしており、中華の円卓を囲む文化が実は家族や親族の絆を深めていることが理解できると思います。日本でも家族や親族が世代を跨り一緒に円卓を囲んで食事を することが出来たら素晴らしいと思います。

教育の在り方までは、時間が無く充分議論できませんでしたが、異文化交流を通じて外から日本の長所、短所を理解すれば必ず良いアイデアも生まれてくる筈です。

以上、あっという間の2時間でしたが、隣国中国の文化に触れて、興味を持って頂いたこと、そして単なる一方通行ではなく、双方向で異文化交流が出来たことは大変有意義であったと思います。

末筆ながら、このような機会を与えて頂き、関係者の皆様に感謝申し上げます。

国際人をめざす会 講師 木村正文

講演スライド

参加者感想