2月17日、横浜市立保土ヶ谷中学校に芹澤健講師を派遣し、1年生向けのキャリア教育の一環として「国際社会で働くことについて」講演を実施しました。
芹澤健講師略歴: 1976年生まれ。学歴:一橋大学商学部商学科卒 職歴:2005~2008年 伊藤忠中近東会社ドバイ駐在 中東諸国・アフリカ諸国におけるエネルギートレードビジネスに従事 2011~2013年 伊藤忠商事ロンドン事務所駐在、欧州・アメリカにおける原油・石油製品・LPGのトレードビジネスに従事 2014~2020年 伊藤忠商事(株)東京本社勤務 2020年4月~ (株)ジャパンガスエナジー社に出向 海外調達業務に従事 2023年から 伊藤忠商事(株)東京本社勤務 エネルギービジネス全般に従事
以下、芹澤講師の出講報告です。
当日は、保土ヶ谷中学校が主催する中学一年生向けのキャリア教育の一環で、実社会で働いている方を中心に講師として招き、合計8クラスの生徒さんが、興味のある分野2分野を選ぶという形式で、我々のほかには、スポーツクラブ、信用金庫、機械業個人事業主、漁業振興財団法人の方等がいらしていた。我々はその中の1つのグループで、それぞれ25人程度、のべ50名ほどの中学一年生が我々のパートに参加された。数ある講義の中で、当会の講義を選んで参加してもらっているため、海外というものに漠然とでも希望をもって今回の会に参加されたと思われ、生徒さんたちも想像以上に集中して話を聞いていた。


1コマ40分で、それなりに時間をいただき、当方の海外での経験を中心にお話しさせてもらった。主に比較文化の話で、日本で働く場合と異なる点として、
① 合意形成主義vsトップダウン
② 年長者優遇vs機能別フラットな組織
これら、二つのマトリックスで海外での職場環境のイメージを説明した。 ただ、日本と環境が違うからといって、日本が良い、悪いの話ではなく、ただ海外とは違いがあるという話をお伝えした。また、日本の働き方の良い部分、たとえば部品点数が膨大で、細かいすり合わせが必要となるような産業、自動車や、半導体の材料分野では、日本が引き続き競争力を持ち得る分野であり、働き方もふくめ輸出してあげることで、異文化が混ざり合うようなの職場環境がより良いものになる可能性があることもお伝えした。ここ数十年の日本経済成長の低迷が、もともと受け身なメンタリティーが一般的な日本人を、より消極的にさせる、出口の見えない悪いスパイラルを生んでいる。成長のための投資が、国、民間からも絞られてしまい、そのような市場拡大が望みにくい国内に見切りをつけ、海外に飛び出していく人材もいる中、大多数の人間は内向きなロジックに縛られ、次の展望が描けずにいる。歴史は繰り返すというか、第二次大戦前の井上デフレ、90年代以降の大蔵、財務省による緊縮財政は、二宮金次郎を師とするかのような質素倹約型経済政策であり、100年前の井上デフレでは、大戦につながる根本的な要因を提供したのではないかと思われるほどである。放置すると、居心地が世界一良い日本の環境に過度に順応してしまい、成長ではなく、国内の限られたパイを奪い合う、内向きな小手先の統治術で難局を打開しようとする日本人の習性のようなものがむくむくと生まれてきてしまい、局所的、また大規模での破綻を繰り返すまでその統治法を繰り返すのが日本の陥る罠であると思う。逆に言えば、日本はそれだけ素晴らしい国であり、外に出ていきたくさせない居心地のよい環境でもあるのだろう。個人レベルで局面をどう打開するのか、このような低成長環境だからそこ、海外と臆せず、失敗を恐れず、チャレンジしていく精神が日本人に求められており、自らも、中学生の皆さんのような方にでも、少しは勇気が与えられるような話ができればと思った。次回以降機会をいただいた際は、今回のような一般論の比較に加え、個人的な成功、失敗談をより具体的に話すのも良いのかもしれないが、中年おじさんの自慢話もね、、、と思われるのも問題なので、話し方、内容にも注意しながら対応していきたいと思う。