1月25日、神奈川県厚木市立愛甲小学校6年生3クラスを対象とした国際理解授業(テーマ:「夢をもとう! ~世界は広い~」)に、藍田譲さん、岡本靖彦さん、村田禅さんの3名の講師を派遣しました。同校への講師派遣は、2008年12月, 2010年2月に続き3回目になります。
当日は、藍田講師よりは、「自分が夢をもち、それが実現していった」体験談、岡本講師よりは、「若者への夢の持ち方」についてのお話 、村田講師よりは「どうしたら夢がもてるのだろう。そのためには今なにをすべきか」というテーマで講義が行われました。
生徒達も熱心に聞き入り、生徒達の国際理解を深めることができました。
藍田講師
講師プロフィール
- 藍田 譲 厚木市在住
- 職歴:大倉商事
- 海外体験歴:米国、カナダ(LA, NY, VCR) 駐在13年、24ヶ国への海外出張経験
講義概要
田舎の一少年が1945年9月、朝礼中、アメリカ兵の日本駐進の姿を目の当たりにしたことをきっかけに、アメリカという国、アメリカ人、英語に、興味を抱き始め、学校をでて、やがて、商社に就職し、夢だったアメリカで仕事をするようになった、自分の体験を話し、夢を意識すると、本当にそうなることが多いことを具体的に話しました。そして、みんなに、夢をもとうと、呼びかけました。
(国際理解授業)
「夢をもとう! ~世界は広い~」
1.田舎の一少年の夢:
・小学一年生:1945年、終戦(アメリカとの戦争、日本敗戦)
・朝礼:アメリカ人・アメリカという国に興味を持つ
↓
アメリカに行ってみたい
英語を学びたい
海外のことを知りたい
↓
海外に関係する仕事をしたい→商社に就職
↓
アメリカ・カナダに13年間住み、そこで働く
2.アメリカで見た世界:「車社会」とアメリカン・ライフスタイル(アメリカ的生活様式)・・・「たくさんの物にかこまれた、便利で、快適で、楽しい生活」
車社会:広いアメリカで車を使って生活する社会
フリーウェイ(高速道路)、コンビニ、スーパーマーケット、トイザラス、マクドナルド(コカコーラ、ハンバーガー)、ショッピングセンター・・・
楽しい:テレビ、ハリウッド・映画、ジャズ、ロック、ディズニーランド・・・
便利 :自動車、洗濯機、冷蔵庫、冷凍庫・・・ 今、ほとんど日本にありますね!
3.皆さんが生きていく世界は:厚木や日本だけではない、世界中が含まれた舞台です。
・皆さんは「夢」をもっていますか、大人になったら何をしたいですか
・夢が生まれ、その夢を強くかなえたいと思うと、本当にそうなることが多いことを知ってほしい。皆さん、「夢」を実現させてください。自分の人生は、自分で作っていくもの、また、それが楽しいものです。
講義を終わっての講師感想
自分の経験から、伝えたいことを質問時間がなくなるほど夢中になって話してしまいました。 にも拘わらず、みんなが、柔らかく瑞々しい心で、話を熱心に受け止めていることがびんびん伝わってきてとても嬉しかった。いつか、できれば、質問に答えられる時間が持てればな-、などと思っています。6年1組の皆さん、ありがとう!
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岡本講師
講師プロフィール
- 岡本 靖彦 1937年生まれ 横須賀市在住
- 職歴:三井物産、三井石油開発、エジプト石油開発、前国公立大学評価員
現在: エネルギー・環境講師(日本生産性本部管轄)、横浜国立大非常勤講師他 - 海外体験歴:米国、エジプト
講義概要
A:講義の流れ
(1)自己紹介と6年生の頃の育った時代・社会背景を語る
(空襲警報・防空壕・配給制・耐乏生活の話など)
(2)当時どんな夢を描いていたか
(小・中学生まで政治家を目指していたが、高校生の時方向転換し、世界に雄飛する商社マンになることを目標にした・小学生の頃から世界地図と日本地図を眺めながら夢を膨らませていた話など)
(3)商社でどんな仕事をしていたか
(資源小国日本にとって“石油は血の一滴”との信念からエネルギ-部門に従事、海外駐在経験のニュ-ヨ-クとカイロでの苦労話の一端を披露するなど)
(4)日本はどこから石油や天然ガスを輸入しているか
(エネルギ-とは何か・日本はエネルギ-源の約半分を石油に約20%を天然ガスに依存していること・その石油の90%と天然ガスの25%を中東から輸入していること・何百隻ものタンカ-が中東と日本の間を往復している話など)
(5)オイルショックって聞いたことあるか
(今から40年程前に、中東から石油が輸入されず、トレットペイパ-騒動が起こった・ガソリンがなくなった・停電騒ぎが起きた話など。因みにオイルショックを聞いたことがある生徒は2~3人のみ)
(6)中東のイスラム諸国はどんな社会か
(イスラム教徒は世界人口の約20%13億人で中東に4.5億人もいる・イスラム教の特徴は唯一絶対神アラ-の教えに従うこと・例えば豚肉を食べてはいけないこと・女性の服装など日本の社会と異なる点の話など)
(7)中東のイスラム諸国の人々と仲良くするにはどうしたら良いか
(異文化を理解し、イスラム諸国の人々との交流を深めることなど)
B:講義のまとめ
(1)君たちはどんな時代を生きているか
(12~13歳は20世紀の終わりに生まれ21世紀を生きることになるが、21世紀は情報通信技術革命の時代つまりパソコンとケイタイの時代でヒト・モノ・カネが地球規模で動き回る時代つまり全てが地球化する時代であること)
(2)地球化の時代に何が必要か
○異文化を理解すること(“百聞は一見に如かず”、海外に出ること)
○外国人と対話すること(語学、特に英語を勉強すること)
○世界に共通するモラルやマナ-を守ること(下記3つを順守すること)
「“権利と義務”・“自由と責任”はコインの表と裏であること」
「“己の欲せざることは人に施すこと勿れ”つまり人からされてイヤなこと(殺す・いじめる・盗むなど)は絶対人にしないこと」
「“人前で化粧する女はみだらな女である”ことを自覚すること」
(3) 夢(希望・目標)を実現するために大切なことは何か
新型万能細胞(iPS細胞)の発見者山中京大教授と聖路加病院日野原理事長の生き方を例示
○やる気を出すこと
○夢(小・中・高で描く夢は異なってもよい)を追い続けること
○失敗しても決して諦めないこと
講義を終わっての講師感想
(1)受講態度
生徒諸君は45分間の授業中真剣に聞いてくれた。担任教師の指導よろしきを得ている様子で総じて感度良好であった。原油のサンプルを見せたり、イスラム教徒の普段着を生徒に着用させてみたりしたことで授業への関心度が高まったと思われる。
(2)講義中の質疑応答
Q エネルギ-とは何か? A 応答なし(当方で回答)
Q 石油にどんなものがあるか? A ガソリン・灯油など
(正解)
Q 地球の円周は? A 1万km (正解は約4万km)
Q 中東から日本までの距離は? A 1万km以上と以下は半分ずつ (正解は約1.2万km)
Q 日本の北から南までの距離は? A 2千km (正解は約3千km)
Q 大型タンカ-の長さは東京タワ-の高さと同じ位だが何mか?
A 333m(正解)
Q 世界の人口は? A 20億 (正解は67億)
Q 世界の国の数は? A 100 (正解は国連加盟国192)
Q あなたの夢は? 指名した6人の回答はつぎの通り。
プロ野球選手 2名・サッカ-選手 1名・警察官 1名
判らない 2名
Q 医者になりたいと思う人は? A 応答なし
(3)腹話術を披露す
講義の最後に、「サラリ-マン退職後、第2の人生の夢として社会還元を目指して大学・高校・小中学校での講義・講演に加えて、腹話術によるボランティア活動を行い、老人介護施設・社会福祉施設・小学校・幼稚園などを訪問している話」をして、チンパンジ-の人形(名前は“ゴン太”)で生徒諸君に腹話術の実技を披露、一同笑いの中で無事講義終了した次第
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村田講師
講師プロフィール
- 村田 禅 1935年生まれ 横浜市市在住
- 職歴:米国コロラド大学留学、テキサス工科大 研究員、新日本製鉄、モービル石油、アグゾノーベル㈱、アルベマーレ㈱
- 海外体験歴:米国、オーストラリア
講義レジュメ
I.どうしたら 夢がもてるのだろう(今すぐ、わからなくてもよい、次のような質問を自分自身に問い続けよう)
1.自分の好きな道を見つけ、その道に進もう。
2.人のため、社会のためになる仕事につこう。
3.日本は豊かな国になったが、世界には、未だ貧しい国が沢山ある。 そういう国へ行って、人の助けになる仕事をしよう。
4.親の仕事を助け、父さん、母さんを助けよう。
II. そうなるためには、今なにをすべきか。
1.6年生の国語、算数、社会、理科を確実に自分のものにしよう。
2.違った国の文化、習慣、伝統をできるだけ理解するように努力しよう。絶対に軽蔑してはいけない。違いのわかる人間になろう。
講義を終わっての講師感想
1月25日、藍田、岡本さんと、3人で厚木市立愛甲小学校に「夢をもとう、世界は広いぞ」のテーマで、6年生に語りかけるべく、行って参りました。話しの要旨は、予め用意した添付の内容に従って行いました。これに、子供断ちが関心を呼びそうな文化伝統の違いの話題をいくつか混ぜて話しました。わたしの担当した6年3組の30数名の子供たちは、大変行儀よく、熱心に聴いておりました。担当教員の日頃からのしつけが、良いというのが、はっきっりわかりました。
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