江東区の人権学習講座に野瀬講師を派遣しました。

6月23日、江東区の人権学習講座「違いを認め合う社会と人権」の第一回講座 [外国の文化・暮らしの違いに触れる] の講師として、野瀬哲郎講師を派遣し、『多文化共生〈暮らしの違いからみえてくる、考え方の違いを知ろう〉』というテーマで講話を行いました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

野瀬哲郎講師略歴:横浜国立大学工学部金属工学科卒業後、1975年三井物産(株)に入社。オーストラリアのシドニーに4年、中国(北京・上海・寧波・広州)に19年、合計23年の海外勤務を通じて外国の文化に触れる。寧波・広州では現地の関係会社に出向駐在し、2016年に退職。同年特殊金属エクセルに入社し、海外事業を統括し現在に至る。

以下、野瀬講師の出講報告です。

日時: 2020年6月23日 (火) 午後7時~8時30分

講演場所 : 江東区文化センター 6F会議室

講演テーマ : 『多文化共生 (外国の文化・暮らしの違いに触れる)』

1.講演の様子:

新型コロナウィルスの感染拡大が治まらない中、開催が危ぶまれましたが、江東区(人権推進課)の皆様のご尽力で検温、アルコール消毒、換気に加えて、座席もソ-シャルディスタンスを考慮した万全の対応で開催に漕ぎつけました。 とは言え、未だ集会等の活動が制限される中で、開催されても余程興味がない限り参加される方がいないのでは、との不安もありましたが、意に反して若い方から年配の方まで10数名の方々が会場に足を運ばれ、講演会として何とか格好がつきました。

講師として、こんな時期にご参加頂いた方々に、少しでも聞いて頂く価値があったと思って頂くよう、マスク着用で頑張って説明しました甲斐があり、非常に熱心に聴講頂き、時間を取った自由討論の場でも、皆さんが挙手をして積極的に意見を述べられたのが非常に印象的でした。

2.講演内容:

・  テ-マであるグロ-バル社会での多文化共生は、現下のコロナウィルスの世界的な蔓延から、世界中の国々が門戸を閉ざす180度も異なる状況に陥っており、実にタイミングの悪い時期での講演となりました。そこで今回の話は、2019年12月までの状況を紹介し、一時的に非グロ-バル状態にあるここ数か月の後にるポストコロナの時代を皆で思い描いてみましょう、と言う形で話を進めました。

・      発表要旨は下記の4項目。

(1) グローバル社会では、文化の異なる外国人との共生は必要不可欠。

(2) 国が違えば文化の違いは当たり前

(3) 異文化を知り、それを尊重することが大切

(4) 日本は今後益々、少子高齢化が進み、単一文化に留まることでの未来はありえない

・      但し、足元では新型コロナウィルスの感染拡大がこれを阻んでいる。新型コロナウィルスは、世界中の人々の命を奪い、健康を脅かし、経済・社会・教育、そして家庭まで大混乱に陥れ、仕事のやり方、価値観、これまでの常識、しきたり、文化まで変えてしまった、本当に恐ろしいウィルス。 このウィルスを撲滅することは難しく、ウィルスとは“共生”せざるを得ないとの認識。

・      一度確立した世界のグローバル化、世界中に広がったグローバルサプライチェ-ンは、後戻りするこはできない。 今後どんな形に変化するか工夫が必要となる。

・      日本の少子高齢化は今後益々深刻になる。日本の人口は2011年から減少に転じて、2050年には1億人を下回る。日本の平均年齢は47.7歳(2018年)で世界第2位の高齢国。国力は人口に比例することから、今後は海外からの移民を受け入れたり、外国人との共生が必要。

・      結論として

➢ 日本の常識が世界の常識とは限らない。日本の文化が世界から異質に感じられることも多々ある。

➢ 先ずは世界を知ることが大事。多文化・異文化に目を向けよう。その為には、海外の人達との積極的な交流を。

➢ 世界のグロ-バル化と日本の少子高齢化は待ったなし、これからは多文化との共生が必須になる。

Ж 但し、既に確立されたグローバルネットワーク・グローバル社会が、今般の新型コロナウィルスの感染拡大により崩壊しつつある。今後、世界がどのような方向に向かって行くのか、先行きの見えない難しい状況に陥っている。

講演の最後に、質問並びに自由討議の時間を設け、活発な意見交換が行われました。

 

 

 

 

 

 

 

3. 講演後の感想:

何はともあれ、コロナ禍の難しい時期に、自宅に籠る自粛生活が続いている中で、久しぶりに人々が集まり、講演並びに討議の場を設けることができたことは、大変有意義でありました。ご尽力頂いた江東区の関係者の皆様、そして斯かる時期にご参加頂いた区民の皆様に心から感謝いたします。

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