国際人をめざす会主催「特別フォーラム」が開催されました。

3月29日、鉄鋼会館に於いて、日本総合研究所会長・多摩大学学長の寺島実郎氏の特別講演「コロナの教訓ー新しい日本の針路」が開催された。

当会の20周年記念として昨年開催の予定であったが、新型コロナ感染拡大の影響で延期されていたもの。

幾度かにわたる見直しの末今回の開催を決定したが、直近に再度感染の拡大傾向が現れた状況での開催となった。

 

受付前の検温、アルコール消毒、座席間隔の確保、さらに講演後のQ&A, 恒例の懇親会を行わないなどの感染対策が講じられた。

そのような状況下、絞られた参加枠80名対し75名の希望者があり、最終参加者は59名であった。

当日の状況を考えると、良くこれだけの方々が参加してくれたなという気持であった。

寺島講師からは、具体的な事例を引きながら、幅広い視点での有意義な講演がなされた。

冒頭、ここ20年の世界における我が国のGDP シェアーの大幅な下落を示すグラフを見せられ、この間の日本の埋没・地位の低下、それをもたらした変化への対応の鈍感さを強く再認識させられた。

世界的にも、又日本でも、政治経済両面で重視しされているアジアに於いてですら、日本の時代は終わったとまで言われる程の地位の低下にも愕然とする思い。

欧米を始めとする各国が、リーマンショックや今回のパンデミックなどの危機のタイミングに、新分野を開拓し成長しているのに対し、アベノミクスなどと言葉だけ・内向けの対応で、そのたびに世界で埋没していく日本。

国際人が、「平家、海軍、国際派」=力を持たない人、と揶揄されるマルドメ化の日本。

 

かかる状況下、“国際人をめざす”ことが、この状況への対応策の一つになり得るとの寺島氏の指摘があり、我々自身も国際人とは何か、何をすべきかを見直しつつ活動を進めることが重要と励まされた思い。

「米か中」から「米も中も」、そして現実化しつつある「アジアの世紀」に日本は如何に対処すべきか、正に国際的に「全体知」を持って対処しなければ、我が国は本当に埋没してしまうであろう難しい時代にあることを強く認識させられた。

 

 

 

 

 

 

 

最後に、寺島講師から投げかけられた、日本埋没の原因とそれへの対応を、当会会員が考え議論しあうことは、当会のめざすべき方向を確認する為の作業に繋がるのではないかとの認識を持った。

 

参考までに講演で触れられたキーワードの幾つかをリストアップしておきます。

・アベノミクスで進んだ実態経済と金融経済の乖離

・日本人の貧困化

・「帰国子女」消える

・対米から対中・アジア

・GAFAM vs 日本企業

・MRJプロジェクト挫折、マスク・ワクチン・食料の海外依存

・コロナの次はDX(欧州のニュールール形成)

 

講演のDVD並びに資料の予備がございます。

講演に参加出来なかった方は、是非ご購入をご検討下さい(2千円)。

 

文責:菊池紀男