春日部共栄中学校に藤縄講師を派遣しました。

5月21日、春日部共栄中学校に藤縄俊之講師を派遣し、中学2,3年生196名を対象に「国際社会で働くこと、国際人としての将来について」と言うテーマで講演を行いました。

藤縄俊之講師略歴: 1961年生まれ。 1985年3月 東京工業大学大学院修士課程修了。 1985年4月 シュルンベルジェ社に入社以来、日米欧各地の技術開発・研究拠点にて、油田探査・開発サービスに供する技術開発・機器製造業務に従事。 また多様な国籍のスタッフからなる組織のマネジメントに携わる(新規技術開発から現場への導入、採用・人材開発・技術訓練、製品開発プロセスの効率化など) 海外勤務地:ヒューストン(米国)・オスロ(ノルウェー)・パリ(フランス)の3カ国通算19年弱勤務2011年末 退職。 2021年3月より三鷹の国立天文台にて勤務。 日本、米国、カナダ、中国、インドが参画する国際協力科学プロジェクトで、ある次世代超大型光学赤外線望遠鏡建設プロジェクトの一員として、プロジェクトの進捗状況や予算の管理、他国の関連組織・日本国内の協力企業との連係業務の調整などに従事。

以下、藤縄講師の出講報告です。

 

 

 

 

 

 

まず、国際社会で働くことの一例として資源・エネルギーの話をしました。 エネルギー利用の様々な形態、日本においては一次エネルギーの大半を輸入に頼っている現実、二酸化炭素の排出を削減するための方策として進められている水素利用と水素供給に関する日豪協力プロジェクトの紹介(水素も輸入)などを通して、日本特有の問題としてのエネルギー輸入、即ちエネルギー確保のためには国際社会の中での協働が欠かせないということを資源エネルギー庁の統計データなどを見せながら説明しました。

次に、日本の外で(または、日本国内で外国の人と共に)働く上で 、様々な歴史・文化・社会的背景を持つ人々の考え方・価値観の違いを理解、尊重することが大事だということを自身の体験に基づいて話しました(問題解決に対するアプローチの違いー石橋をたたいて渡るか、それとも歩きながら考えるか、年間スケジュールの立て方—休暇を考慮して1年を11ヶ月で考える、ノルウェーの産休制度の紹介など)。そういった多様な考え方、社会背景を持つ相手の意見を分かった上でしっかりと自分の意見を主張することが重要だという点を強調しました。また、仕事以外のことで、海外では日本の歴史や文化に興味を持っている人はたくさんいること(文学や映画・音楽だけでなくマンガやアニメ、ゲームなど)をパリで毎年行われているJapan Expo の様子を紹介しながら説明しました。

最後に、専門分野(自分の好きな分野)に徹底的に打ち込んで継続すること、 自分の好きな分野について深く追求するのと同時に日本のことを広く知ること(国際社会で他の国の人達と協働する中で、私たちが他の国のことを理解すると同時に他の国の人たちに日本の事を理解してもらう、そのためには私たち一人ひとりが日本の大使の役割を務める)、それから世界の地理、歴史、文化を知る事(試験のための詰め込み勉強ではなく、学校を卒業して、社会に出てからも続く学びとして)をお話しして、講演のまとめとしました。

講演後に今回の講演会を設定していただいた星教頭先生より「将来海外で働きたいという気持ちが強くなったと、担任と話している生徒もおりました。」とのコメントをいただき嬉しく思うと共に、より多くの生徒さんたちが「世界」に目を向けるきっかけになってくれれば、と期待しております。

春日部共栄中学校の皆さんにお話をする機会をいただき、ありがとうございました。

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