稲城市立稲城第六中学校主催の「ESD教育講演会」に2講師を派遣しました。

稲城市立稲城第六中学校はESD教育を学校経営目標に掲げて「持続可能な社会の担い手を育む」ために国際理解教育、環境教育等を推進しております。 「総合的な学習の時間」の取組として、全校挙げて「ESD教育講演会」を行っていますが、今年度は国際文化理解をテーマとして、当会から講師2名を派遣することになりました。

河野講師:テーマ「皆で世界を知ろう! 日本文化を知ろう! 広く目を耳を開こう!」

対象学年:1~2年生200名 会場:体育館

関根講師:テーマ「落語と小噺を活用して、日本文化を学び世界に発信しよう!」

対象学年:3年生95名 会場:図書館

校長先生による講師の紹介から始まり、同校の生徒はまっすぐに前を向いて講師の話に耳を傾けて、おおらかで屈託なく笑い、元気に声を出して質問やクイズに答えて、最後には大きな声で「故郷」を合唱して盛り上げてくれました。 英語落語の方も英語で自己紹介や小噺の音読体験のパフォーマンスを元気よくやり、質問コーナーでは、積極的に前向きな質問をしていました。生徒代表による講師に対するお礼の言葉をもって終了しました。

同校の副校長先生からの以下のようなお礼と感想を賜り、今回の講演会に対する高い評価をいただいたことで、講師ともども意を強くしているところです。

【現地での貴重な体験談や写真、民族衣装、楽器の生演奏など、生徒たちは大変喜んでおりました。稲城六中の体育館にいながら、まるで、海外旅行をしている気分が味わえました。 また、英語落語の関根先生にはご自身の経験もふまえながら、オールイングリッシュで御講演いただきました。3年生にとっては知的好奇心をみたすことができる、素晴らしい講演でした】

講師派遣委員長

 

河野講師略歴: 早稲田大学 第一理工学部 電気工学科卒  三菱商事(株)入社、機会・プラント海外建設や技術導入等の国際ビジネスに従事  またIISTビジネススクール本科、UCLAサマースクールInternational Management 研修完了  香港・アラブ諸国等に駐在、訪問した国数は80余ヶ国に亘る  1998年より地域冷暖房(熱供給)事業会社の社長を務める  社長退任会社卒業後は、淑徳大学にて国際コミュニケーション学部教授に就任  現在、集中講義やサークル活動援助また諸国際協力メンバーを務める

以下、河野講師の出講報告です。

今回の出講授業はとても良い内容の素晴らしい成果を得たようでここに報告です。 これは最初からの学校側との打合せやその実行に我等の会の関係者の皆が協調して、会のそもそもの趣旨を心を込めて実行した成果と思量されます。 その結果、学校体育館での200名の生徒さんと参加された先生方も大いにエンジョイされ満足された充実結果をもたらしたと言えるでしょう。 委員長の副校長先生との基本打合せに基ずき、私も先ず同副校長先生に相談せるところ『本校の生徒達はほとんどが“世界”というものの認識がなく、イメージも持っていないようだ。そこで生徒たちに具体的イメージが湧いてくるように、一方的に上から話すと言う授業でなく、一緒になって聞き・話し合い・感じ・考え・全体で相互交流出来るように持っていってほしい。具体的な授業内容はすべてお任せする。』 というものでした。

  

そこで委員長とも打合せ添付授業次第のような内容で120分間の相互交流授業を行った。 生徒さん達ははじめから真っ直ぐに前を向いて座り・良く話を聞き・声を出し・笑い・手を挙げ・拍手をしたり・最後には皆で歌い・ですっかり一体感が生まれました。途中の休憩時間には前に集まって来た生徒さん達から、一緒にSnap写真を撮って欲しいとか、配ったレジュメにサインをして下さいとか、楽しい授業だとかの嬉しい声も聞かれ雰囲気の盛り上がりを感じ、後半授業へと充実の気合が入りました。 事前の先生との打ち合わせで「日本の文化的良さも生徒達に認識させられればこの上なく嬉しい」とのお話を取り入れて“この中学校もある意味で皆の故郷になるのだ!”と、大きな声で皆で「故郷」を歌うことにしたら、全員が大きな声で故郷を歌い盛り上がり 胸が一杯になりました。

    

そして最後には生徒代表のお礼の言葉で解散となりましたが会場を出ていく生徒さん達が口々に“楽しかった”“有難うございました”と声を出してきて何とも言えぬ充実感と嬉しい気分に浸った次第です。更に学校を去るときにTAXIを手配して頂いた校長先生とお別れする校門の前まで追っかけてきた女性生徒さんからは握手を求められ、手を放さずに“きっと次回来年も来てください”と目の前の校長先生もビックリの生徒さんの感激的思い入れ感想表現もありました。

全て終了後の駅前での食堂にて会の仲間レビュウも有意義でした。

CosmoClub 国際人をめざす会の真髄も充実で喜ばしい授業の一日でした。

河野講師講師の出前授業プログラム

ESD講演会(1,2年生感想)

 

関根純一略歴: 1947年生まれ、横浜国立大学経済学部卒  日商岩井(株)(現、双日)に入社、会社より英国ヨーク大学留学  英国・カナダ駐在ほか米国・韓国・台湾・中国等出張多数   国交省主幹の英語通訳士ガイド資格ならびに経産省主幹の中小企業診断士資格を取得し、退職後は企業研修や通訳・翻訳に従事  実践的な英語研修として英語落語を学び読売カルチャー講座でレクチャーをするなど活躍

以下、関根講師の出講報告です。

6月16日(金)に稲城市立稲城第6中学校で実施した出前授業について、以下の通り、ご報告いたします。 当校の「国際文化理解講演会」の一環として、「落語と小噺を活用して、日本文化を学び、世界に発信しよう!」と題して、事前に報告者が作成・配布したプログラムに沿って出前授業を進めました。授業には中学3年生3クラスの男女合わせて約95名の生徒さん達が参加されました。

授業は2部構成とし、第1部では、自己紹介で英語力UPをテーマに、自己紹介文の一般的な作成・活用法を簡単に日本語で説明した後、一例として講師の自己紹介を英語で発表しました。講師の趣味(GEMを磨く)を披露する中で、授業の堅苦しさを軽減するため、今回初めての試みとして、詩吟の一節を唸る場面を作りました。その後、一方通行を避けるため、6名の生徒さんにも自己紹介の発表をしてもらいました。

   

次に、落語と小噺について、先ず重要ポイント毎に日本語で補いながら、英語で全体像を説明しました。特に、落語・小噺で使う小道具の扇子と手拭いが、使い方次第で、其々何を表しているかを問うクイズでは、生徒さん達が積極的に参加して盛り上がりました。第1部の締めくくりに、小噺を日本語で2題、英語で3題の実演をしました。日本語の小噺を紹介したのは、駄洒落や語呂合わせを使って、落ち[下げ]にする日本独特な文化・習慣が邪魔して、明快に翻訳できない事例もあることを知ってもらうためでした。全体を通して、日本語による小噺が生徒さん達に一番受けたみたいです。(笑い)

10分間の休憩を挿んで、第2部では講師による英語落語の実演とワークショップとして生徒さん有志による小噺の実演を行いました。 英語落語の演目は昔話「桃太郎」で、誰でも知っている内容ですが、英語のみで演じられるだけに、特別解説書を事前作成・配布し、参加生徒さんが事前学習できるように配慮しました。本演目は台詞の分量が比較的に多く、目標時間の16~17分内に、いかに登場人物である息子の生意気さとそれに戸惑う父親の不甲斐なさを醸し出すかが勝負の鍵となっています。やや早口な台詞回しとなり、聞き取りにくい箇所もあったと思いますが、全体の内容や雰囲気は概ね理解されたと期待しております。

次の小噺体験コーナーでは、小噺事例のプリントが直前に配布されたため、参加生徒さんが事前予習できていなかったため、当日、その場で選択された小噺を音読体験してもらうことになりました。自己紹介のコーナー同様、本コーナーで、皆さんの前で元気に発表された有志の生徒さん達に、再度、感謝と拍手喝采を送りたいと思います。

   

最後に、参加生徒を代表されて、男子生徒さんから講演に対するお礼の言葉を頂き、報告者の長くて短いお務めは無事終了いたしました。

本講演の機会を与えて頂いた稲城第六中学校の恵方谷校長、当講演会を実質的に取り仕切って頂いた加藤副校長、授業の推進・サポート役の諸先生方、そして講演を盛り立ててくれた参加生徒の皆様に感謝いたします。特に、来年卒業される中学3年生の皆様が、本授業で何かを感じ取り、学校生活のアルバムの思い出の1ページにでも加えて頂き、高校進学に臨まれることを祈念しながら、本報告書を締め括りたく存じます。

関根講師の出前授業プログラム

ESD講演会(3年生感想)